おじゃまします!手づくり市出展者さま Vol.132「WASABI」

様々なデザインの生地で作られているバッグやポシェットは、見ているだけでも
楽しい気持ちにさせてくれる「WASABI」の渡辺さんに取材させていただきました。

Q. 定年退職をされてからのバック作りとインフォメーションに記載されていますが、
何がきっかけでしたか?ミシンは身近にあったのですか?

「元々は、娘が作っていました。4〜5年続けていたと思います。結婚して子供も授かり、子育ても忙しくとても作れる状況ではなくなったのですが、生地など多くありましたので、代わりに作ってみようと思ったのがきっかけです。ミシンはバック作りを始める前に趣味で孫娘のワンピースやスカート作りをしていたのがミシン使いの始まりです。また自分使い用に手縫いの本革でのカバン作りはやっていたので、娘の後を継ぎ、布のバック作りを始めました。」

Q. 差し障りがなければどんな仕事をされていましたか?

「美術の教員です。私の専門は日本画です。奥にアトリエがありますが、岩絵の具の入った瓶だらけです (笑) 。廊下はバッグ用の布だらけです(笑)。ものづくりは昔から好きでした。」

Q. バッグに使用されている生地が様々なのですが、
なにかこだわりはありますか?

「娘が取引させていただいていた生地屋さんから私も引き続き特別に卸していただいています。こだわりというか、生地を選ぶときの出会いを大切にしています。基本的には、季節等を問わずその時のインスピレーションで選んでいますね。」

Q. 渡辺さんが作られるバックの特徴はどんなところですか?

「一番は生地の魅力です。生地の柄の良さを最大限に活かせるように作っています。二つ目が、外観の形はシンプルになるようにしています。三つ目はショルダーベルト等に本革使っていることです。ただ、生地のデザインや配色の面白さを活かすような裁断を心がけています。最後に、あと妻からのアドバイスもありポケットの数はなるべく多めにして使い勝手の良さを大切にしています。お客様の年齢層が高めなので、軽くて便利に使えるものの方が好まれると考えています。」

Q. 手づくり市の会場で海外の方にも気軽に話しかけておられるのが印象的ですが、お客様との
対応はどんな工夫をされていますか?

「教員をしていたせいもあり、人との対話が好きですし、つい(英語は全然得意ではないのですが、)海外のお客様にも声がけしてしまいますね。ほとんど決まりきったフレーズで、どこからいらしたの?は、国内外共通ですね(笑)。売れる売れないは別として、バックを通して色々な方とコミュニケーションをとれることが手づくり市の魅力ですし、やっぱり人と接するのが楽しいですね。」

Q. WASABIという屋号のいわれを教えてください。

「屋号は、日本語で3文字と考えていました。気軽につけた名前になります。苗字の1文字が入っていることもあり選びました。意味合いとしては、主役じゃないけど、わさびはお造りや料理の引き立て役。なくてはならないもの。そこから、バッグを持つ人が主役で、バッグはその方の魅力を更に引き立てる役と思っています。最近、テレビで山葵の根が多く付いているところを見た時に、根っこがいっぱいに広がっている姿が、ものづくりの一つの縁がありそこから根を張り繋がっていく姿に見えてしまいました。」

Q. 手づくり市に長く参加する秘訣は?

「モチベーションとしては、自分の作ったものをお客様が評価して購入してくださるというのが、嬉しいですね。知恩寺(百万遍さん)の好きなところは、雑踏感ですね。ある程度のエリアは決まってはいますが、境内の中で色んなところでそれぞれの店舗の特徴を活かして出店されているところですかね。きちっと整列していないところがいいですね。」

絵を描くのは、作品に終わりがないけれど、バッグは完成がはっきりしていて、お客様からの反応が見えるので作るのが楽しいと。そして、娘さんのバッグを購入したお客様が渡辺さんの作ったバッグを見て「探していたのよ〜。」と見つけてくださったと嬉しそうに話していただいたのが印象的でした。

掲載日2023.7.13

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