おじゃまします!手づくり市出展者さま Vol.110「夢くらぶ」

ポップな絵柄の桐箱や、羽子板など、桐小物を多く扱っている「夢くらぶ」さん。 なんと創業から98年続いているというお店だそうです。

Q. 井上さんが桐工芸をいつから始められのですか?また、始められたきっかけはなんですか?

隆雄さん「大正13年7月創業(三代目)として生まれました。当時は反物、帛紗、風呂敷、帯締め等のほとんどが桐箱を使用していたのもあり、関西の百貨店と直接取引していました。平成7年1月の阪神・淡路大震災からピタッと受注が止まりました。そこから個人の顧客の受注を取り始めましたが、思うようにはいきませんでした。在庫を抱えていた時に、百万遍さんの手づくり市を知りました。」

Q. 桐という素材の特徴と桐の産地によっての違いなどありますか、
それぞれの特徴を教えてください。

隆雄さん「桐は中に湿気を寄せ付けない、虫がつかない、カビが生えないなど中に入れたものを良い保存状態で保つことができます。桐箱はその性質を充分に活かせるように設計されています。現在、流通は国産、アメリカ産、中国産がほとんどです。物づくりのこだわりから作品によって使い分けています。」

Q. 作っておられる時に一番神経を使われるのはどんなときですか?

隆雄さん「桐箱の美しさを表現するために、特に素材の使い分け使い方にこだわりをもっています。そして寸法の正確さを常に意識しています。」

町子さん「とても神経を研ぎ澄ませて、正確さにこだわって作業していますが、製作を離れると、私の話をただただ聞いてくれています。(笑)」

Q. 作品を見させていただくと大変ポップな絵柄が描かれている
のですがどなたが描かれているのですか?

町子さん「私ですよ。」

Q. 桐箱と聞くと和柄をイメージしてしまいがちですが、そうでなかったのがとても斬新に見えるのですが、なぜこのような絵を描こうと思ったのですか?

隆雄さん「平成3年頃、百貨店から出展の依頼があった時に、桐箱そのものだけでは販売が寂しいと感じました。日本画の先生にお願いして桐箱に絵を描いていただきましたが途中、変化をもたせる必要から押し絵を貼ったりもしました。時を経て平成24年頃から奥さんが描く今のスタイルになりました。」

町子さん「私が桐箱に描き始めたのは、主人からのすすめがあったからです。小さい頃からマンガを描くのが好きでしたが、興味がイラストに変わり、ファッションイラストレーションの専門学校に入学して勉強を重ねました。その後、陶芸を学び、作陶しながら絵付けに熱中しました。私のオリジナルイラストは今まで学んだものの全てをアレンジして描いています。桐という特性から、描く筆やペン、絵具など色々と試行錯誤しました。アクリル絵具と筆、バーニングペン(焼きペン)ドローイングペンなどを使っています」

Q. 夢くらぶの屋号のいわれを教えてください。

隆雄さん「以前は“井上桐箱“でしたが、イベントなどに参加した際に、桐箱しか扱っていないと思われてしまうので、平成16年11月に漢字で”夢倶楽部”という社名にしました。屋号は柔らかいイメージにしたかったので、ひらがなにしました。桐箱屋が手づくり市などのイベントに参加しているのは珍しいと思いますね。」

Q. 手づくり市に出られての感想を聞かせてください。

隆雄さん「参加から二年目の頃でしょうか?無地の桐箱が欲しいとお客様からの要望があり、作り始めたのですが、以外に需要が多かったので驚きました。毎月出展しているうちに、お客様の要望からの扇面、羽子板、ひょうたんなどの形にくり抜いた桐板もよく売れました。途中、糸鋸の講座に通い学んだことが役立っています。」

毎回、お客様との会話のやり取りを楽しみに、二人で手づくり市に出展しているそうです。 一つの作業の説明の度に分かりやすく説明してくださり、桐箱ひとつに多くの技が使われていることを学ばせていただきました。

掲載日2021.6.13

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