おじゃまします!手づくり市出展者さま Vol.102「染め・きのび」

着物を染めて50年。揺るぎない色使いと描かれる線の優美さには
どんな秘密をお持ちなのか?「染め・きのび」さんのアトリエにおじゃましました。

Q. 染めの仕事を長くされているとの事ですが、何をきっかけに染めのしごとを始めたのですか?

「元々は、型染をしたかったのです。染織の学校に2年。その後勤めた会社でろうけつ染の仕事につき、そこで色々学びました。ろうけつ染は友禅ほどの縛りがないので自由に発想して描くことができました。」

Q. どんな着物を作っておられたのですか?

「30歳で独立したのですが、今お見せできるのは、この2点です。(写真参照)こちらの着物は、イタリアのフィレンツェに憧れて写真集を見て思い馳せながら描いたものです。もう1点は叩き染めで描いたもので、時間をかけて描きました。」

Q. 手づくり市に今のような、形態で出展されるようになったきっかけはなんですか?

「独立してそのうち、着物の需要が減りなんとかしたいと民商の方に相談していたら、Tシャツとか作ってみたら?とアドバイスをもらい、そこから始めました。」

Q.いつ頃から手づくり市に参加されていますか?

「手づくり市に出展したのは、2004年からです。往復ハガキの申し込みでしたね。 梅小路はスタート時から参加しています。今はコロナの影響で開催が減ってきたので、少しでもお客さんとの繋がりを続けるためにも出展者インフォメーションにも参加するように始めました。snsに掲載する作品の写真などは娘が撮影して掲載などは手伝ってくれています。」

Q. 作品を作る工程を聞かせてください。

「図案を考える、下絵を作る、下絵を写す、染め、蒸し、水洗となります。水洗をしっかりしないと購入されて洗濯する際に色が出てしまうのと、染めが滲んできたりするのを抑えるのに最初苦労いたしました。染料と助剤の配合を試行錯誤して堅牢度(色落ちの度合)の安定を会得できました。」

Q.下山さんの作品は色の鮮やかさとポップな図柄がすてき
なのですがどんな、作品づくりを目標としておられますか?

「着物で長い間下絵からデザインしてきた経験が生きている。と思います。色に関しては特に気を使いますが、顔料と違った染料の良さが出てくるように考えています。」

Q. お客さんの年齢層をおしえてください。

「お孫さんへのプレゼントとして購入される方と、保育士さんとか仕事着としてTシャツを着る方などが多いですね。トートは一時期流行ったので多くの方に購入していただきましたが、だんだん売れ行きが伸び悩み、最近エコバッグの利用に伴い需要が戻ってきている感じですね。」

Q. 屋号の「染め・きのび」という名の言われを教えてください。

「きの美しさというところでしょうか。“き”は、生糸のきであり、粋のきであり着物のきなど多岐に渡る大切にしている単語の頭文字からとっています。屋号をつけた時、『きのび染め』としていたのですが、娘に語呂が良くないと指摘され、現在の『染め・きのび』としました。」

Q. これからの目標とかありますでしょうか。

「もう目標というには恥ずかしい歳になりましたが、敢えていうならもっともっと色んな方に作品から染めの良さを知っていただき、使っていただけることを広めていきたいですね。自分の描いたTシャツを着ていただいているのを見かけると、やはり嬉しいものです。体力とかを考えると、あちこちでの販売は厳しいので、今は百万遍さんと梅小路に絞って販売しています。ネット販売などは考えていないので、対面で楽しく続けていきたいです。お恥ずかしい野望ですが、また着物を染めてみたいとは思ったりします。」

基礎をしっかり勉強されて染めを専門職として働いていたこと、研究熱心に続けていらっしゃるからこそ描ける線と出せる色というものがある。と、シンプルだけど味のあるTシャツやトートバッグから伺えるものがあります。新しいデザインを起こすためにスケッチに出かけたいとお話しされていたので、楽しみにすることにします。

掲載日2020.10.13

画像