おじゃまします!手づくり市出展者さま Vol.85「平安楽堂松岡賢司」

割烹食器などの京焼清水焼の受注生産を受けている実家を手伝いつつ、自分オリジナルの作品を追求して販売されている「平安楽堂松岡賢司」さんの工房を訪ねました。

Q. 松岡さんは陶器と磁器で食器を作っておられるとのことですが、陶器と磁器の違いを教えてください。

「簡単に言ってしまうと、原料の違いです。土が陶器、石が磁器です。どちらも粘土状にしているので、作業工程は一緒です。何を作るかによって作業工程が変わってきます。」

Q. 松岡さんの得意な技法は何ですか?

「昔は、白地に絵付けをすることでした。その技法だと古典的なので、イベント出店などでは売れないことが多く、そこで、釉薬(ゆうやく)ものをやり始めようと思い、釉薬のことを勉強して色をつけるようになりました。そこから、元々絵付けでつけていたところを、手で掘り掘ったところに釉薬が入りこんで色が出るようにと自分で考えました。」

Q. 松岡さんの作品の特徴を挙げるとしたら?

「前提として清水焼がありますが、伝統的技法で縛られずに、モノづくりの自由さをできるだけ取り込んでいるところです。自由な発想で新しい形や色を取り込んで、でも伝統も残しつつ。と言ったところでしょうか。」

 

Q. 屋号のいわれを教えて下さい。

「元々、祖父が付けた屋号が「平安楽堂」で、現在は父が代表ですので、出展する際、屋号に自分の名前を横に付け加えました。」

Q. いつ頃からお父さんの仕事を継ごうと思われたのですか?

「明確にそう思ってはいなかったのですがフツフツと湧き上がってきました。20歳の時に職業訓練校へ通い、卒業してから実際にどうしようかな?という期間が長かったですが、この道に進むことになりました。」

Q.手づくり市に出展されてみてどうでしたか?

「最初の出展が2010年11月の梅小路でした。初回の売り上げが忘れられないほど(笑)、思い描いていた結果とは違っていて、衝撃でした。出展してから最初の5年はがむしゃらでした。売れればいいというものではないと思いましたし、出展を重ねることでいろんな刺激を受け、毎日使ってもらえるような食器をと思えるようになりました。初めての百万遍さんの場所取りの難しさも、今となっては懐かしい思い出です(笑)。」

 

Q.手づくり市でのお客さんの反応はどうですか?

「色が綺麗とは言ってもらえます。あと、形での反応もあります。」

Q.形といえば、取っ手が変わっていますよね?

「それは、取っ手の型を何種類も用意して対応しています。複雑な形も型があることで、作りやすくなっています。」

Q.デザインはどこから生まれますか?

「デザインは色々なものからインスピレーションを得ています。作っている最中、ある日突然ひらめいたりすることもあります。」

 

Q. お仕事以外での楽しみや趣味はありますか?

「ここ以外に別で山科の方に家を借りているので、そちらでろくろが使えるようにしてあるので、自由に作品を作っているのが楽しみです。その場所で音楽を流すオーディオをどうしようかな?というのも考えています(笑)。」

Q. これからの目標または夢などをきかせてください。

「一つは、実家で作業しながら、自分の作品を作る環境も作ってみたいな。と考えています。それとずっと携わっている清水焼を自分なりにどうできるか?というのも考えていることです。」

元々は江戸時代、清水寺のたもとで売られていた陶磁器を総称して、京焼清水焼と言われるようになったそうです。白地の磁器に絵付けをしているのが清水焼と全般的には思われますが、現在は、陶器に絵付けをしたものも含まれているそうです。人によって清水焼の印象はそれぞれであるというのが、伝統的技法でありながらも自由度が高いのだと感じました。

掲載日2019.4.13

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