おじゃまします!手づくり市出展者さま Vol.72「明工房」

まだ、百万遍さんの手づくり市が当日申し込みでの受付で参加できていた頃から出展され
NHKテレビでも紹介されたことのある「明工房」さんにおじゃましました。

Q. 明工房さんが染めの技法で使用されているのは、ろうけつ染めだと思うのですが、
そもそも「ろうけつ染め」とはどんな技法か教えていただけますか?

明さん
「白い生地に蝋(ロウ)で絵を描いたところだけ白に残るようにして、染めたものです。ロウを乗せた厚さの違いで色の染まり具合が変わるため絵の表情が出てきます。」

Q.高野さんがろうけつ染めに関わるようになった
きっかけは?

明さん
「ろうけつ染めに興味があり、西陣織の着物から始めています。着物だと1ヶ月近くかけて描く特注品が多かったです。着物が売れなくなってきた時、仕事が十分の一程になってしまったので、綿生地製品に移行しました。」

Q.絵を描くのは昔からお好きでしたか?

明さん
「そうですね。普段何もせずにいると、肩や腰が痛くなるのですが、絵を描いている時は1日7時間作業を続けていても体が痛いとは思わないのです。」

Q.洋服や手袋などで作品を作られるようになったのは
どうしてですか?

明さん
「綿生地で製品を作り始めようとした頃は、紫外線対策でアームカバーというのはそれほど普及しておらず、ある時購入したTシャツの袖口が親指が出るように分かれていて、その袖部分を使ってみたのが始まりです。それからもっと良い生地を探し続けて今に至っています。」

Q.では、アームカバー自体は特注ですか?

明さん
「特注というか嫁はんが仕立てています。嫁はんがいないと成り立ちません(笑)。綿生地に少しでもナイロンなどが混ざっているとロウで溶けてしまうので上手く染まりません。生地は綿100%でないと駄目なんです。」

昭子さん
「サイズもそれぞれお客様のご希望があり、それぞれ微調整しながら作っています。S、M、L、LL、3Lまで有ります。」

明さん
「Tシャツは特注で頼んでいますが、縫う糸も綿でお願いしています。そうするとお客さんが涼しさが違うと言ってくださいます。」

Q.今、ロウで描くときの道具は?

明さん
「これは、自分で開発したものです。わずかな穴の違いで色んな絵柄を描けるように工夫しています。大、小、小小と3種類作りました。ポトポトと落ちてくるロウの粒を調整しながらロウが染みていくように伸ばしていくように描くんです。ロウの落ちてくるスピードの変化を感じ、描くところを考えながら2本(右手、左手)を同時に仕上げていきます。ロウが冷めると落ちなくなるのと、ロウとロウがくっついてダメになってしまわないように気を使っています。」

Q.私は、夏場に長めのアームカバーを使わせていただいており、ホタルブクロが気に入っていますが、
お好きな絵柄はありますか?

明さん
「やはり、バラですね。バラが一番染め上がりが素晴らしいんです。花の部分などは真っ白に仕上げるために、ロウを二度塗りしたりしています。アームの長さに合わせて茎の長さなどを調整しています。 ホタルブクロは、茎の部分など細いところを描くのが難しいですね。」

Q.手づくり市に出展されて何年になりますか?

明さん
「18年ですね。東寺の市に参加していた時に、明さんの作品なら知恩寺さんの方がいいのでは?と紹介されたのが参加するきっかけです。その頃は、まだ参加店舗が少なく、好きなところに出展できていましたね(笑)。」

Q.染めの風合いを残すための洗濯方法
とかありますか?

昭子さん
「洗濯ネットに入れてもらえれば、洗濯機で普通に洗濯してもらって大丈夫です。色落ちもしません。」

Q.これからの目標などがありましたら聞かせて下さい。

昭子さん
「これからはペースを落として、楽しみながら長く続けていけるように元気で頑張っていきたいです。手づくり市だけの販売なので、リピーターのお客様たちに喜んでいただけるように続けていければと思っています。」

夏はロウ落としのための蒸し、冬は水の厳しい冷たさという染め作業、取材に答えてくださる間もあうんの呼吸で作業工程を進めていた高野さんご夫婦。10秒でも手を止めたら染めムラが出来てしまうそうです。そんな厳しい作業の中でも優しいお二人の作品への思い入れが感じられる取材でした。

 

掲載日2018.3.13

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