おじゃまします!手づくり市出展者さま Vol.57「杉乃精」

57回目のおじゃましますは、村山寛さんが代表の「杉乃精」さんです。
京都京北で、北山杉の枝葉より精油(アロマオイル)を採集し、これを販売することで
地域の活性化を図ろうとしています。

Q: 京北は北山杉などで有名な林業の盛んな所ですが、
村山さんのお生まれもこちらですか。

「はい、地元です。」

Q: 林業に携わっておられたのですか?

「高校を卒業して、京北森林組合に入社しきこりを
 していました。時代が建築ブームの時で余りに忙しく、
 この勢いが長く続くはずがない、危ないと思って
 転職を決意しました。自分では合格するはずもなかった
 NTTに入社が出来、25年勤めました。
 退社後に東京で起業しましたが、早期退職をして
 地元にもどり京北森林公園館長を経て
 『杉乃精』を起業したのです。」

 

Q: 一般的に精油 (アロマオイル) と言えば、
西洋の花や木、ラベンダーやティーツリー
などをイメージしますが、
日本の杉、ゆず、山椒、黒文字(クロモジ)などから
オイルをとる発想は、どうして思いついたのですか?

「昔の京北は「北山杉」のブランドに支えられていました。
 今でも関東に於いて京都の北山杉の名は、
 世界遺産京都の北山杉として名を馳せますが、
 時代の流れに伴い需要も減り、
 山も放置されてくるようになりました。
 そこで北山杉の新たな活用を考えていたら、
 「北山杉」というブランドのオイルを使う製品が無いことに
 気がつき、北山杉の精油入りの石鹸を作ろうと
 思ったからでした。勿論、石鹸は商品化してもらい
 好評でしたが、精油をする過程で加工品の販売よりも
 様々な方向で商品展開が無限に出来る
 アロマオイル自体を販売する方が先々の可能性が広がる
 感じがして、方向性を変えようと思いました。」

Q: 黒文字の木などは、楊枝や茶会などでお菓子を
取り分けるお箸の素材のイメージなのですが、
京北には沢山育っているのですか?

「黒文字は北山杉が100~200本ある傍らに1本あるか
 無いかの木で、私個人では大和撫子と呼んでいます。
 あちこちにあるわけでないので、僕たちでも
 樹生場所は簡単には見つかりません。
 20年もたつと枯れてしまい、杉よりも決して
 大きくならず次の世代を誕生させます。
 アロマオイルの精油採集量も非常に少なく、
 香りも凄く強く大変に貴重品です。

 世界的に有名なシャネル5番の成分の元は
 黒文字なのです。
 先日、世界アロマピスト協会の名誉会長である
 ピエールフランコム氏が来日した時に、
 黒文字の話を聞いて多忙な中でも興味をもたれたのか、
 ここに来たのです。
 僕たちはその方がどれほど有名な方なのか
 全く知りませんから、SNSで掲載された情報を見て、
 一斉に来られた80人位の方々に驚きましたね。(笑)」

Q: アロマオイルの精油採集方法は
どうやって学ばれたのですか。

「独学ですが、アロマオイルを生産されている方々を訪ね、
 色々と視察をした後に私の農小屋で実験を重ねていきました。
 そして、多くの資金をかけることも出来ないので
「日向工房」の柳田氏のアイディアと技術を借りて、
 工夫と手づくり感満載の実験装置を作りあげました。
 これは仲間と、ここの自然環境の賜物なのです。
 装置が出来上がってからは実験、実験の日々が続き
 試行錯誤をしながら1本の製造ラインに
 1年をかけてまとめ、尚かつエコロジカルに、効率的にと発展させました。」

Q: 確かに、こうして精油する現場を見られる機会はなかなかないですね。

「私たちは「杉乃精アロマオイル製造体験ツアー」を実施しています。
 自分の杉山に皆さんを連れて行き、伐採、枝打ち、機械にかけ粉砕し蒸留。
 これらを体験してもらい、自然の恵みを感じてもらい、作業の合間には私の作った米、
 椎茸、納豆餅などを賞味していただき、自家製ピザ窯で自分の作るピザを楽しむ。
 その後は、杉乃精商品のお買い物へと他に類を見ない充実したツアーです。
 京北地域の特性を最大限に生かし、楽しめる、これも地域の活性化に繋がることと考えています。」

Q: そうですか。村山さんは本当にずっと色々なことを考えているのですね。

「もう、1日中考えていますよ。(笑)
 精油は色々な可能性を生み出してくれますからね。
 精油カスも利用できるのですよ、
 農家の肥料に使えますし、ツアーで好評な杉や
 黒文字の香りを楽しみながらの足浴、
 これは体が本当に温まりますよ。
 それと、とても早く土になるので、
 栄養ある腐葉土にカブトムシの幼虫が育ちますし、
 椎茸も普通は2年かかるのですが、
 菌床ではとても早く育ちます。」

Q: 手づくり市に出展されての
感想があればお聞かせ下さい。

「手づくり市では色々な方との出会いがあります。
 それにより仕事をアピール出来る新たな場所を得ることが
 出来たり、仕事を得られたりもしました。
 市は精油への意見や感想をいただけ、
 たくさんの作家さんと出会える場とも考えています。
 精油を使い作家さんとコラボして
 新しい商品を誕生させたい思いがあるのです。」

Q: 村山さんの最終の夢を教えてください。

「窯を使ってゆっくりと精油をとりたい。
 電気でもなく、重油でもなく、
 ここにある廃材を熱源にして蒸気をつくり、
 その圧力で精油をとる。
 それが出来れば精油は必ず地場産業となり、
 京北地域の活性化に役立つはずだと考えています。」

村山さんは68歳、でも「休む」ということを知らない人のようです。
思いたったら全力で走る、走る、走る。
常に一生懸命だからこそ、他人をうらやむこともなく、惑わされることなく、
ひたすら走ることを楽しんでいるようです。

「何故それが出来る?」
それは、一度このツアーに参加してみてください。
きっと京北の素敵他な自然の中で、あなただけの答えが見つかると思います。

掲載日2016.12.13

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