おじゃまします!手づくり市出展者さま Vol.23「佐の富」

琵琶湖のほとりの船着き場岸に
佐の富さんの工場はあります。
「おいしそう」と鮒ずしの匂いに誘われた猫が、
声高らかおねだりもしています。

この琵琶湖で獲れた新鮮な魚だけを煮てつくる佃煮は、
川魚が苦手な人でも大丈夫とのこと。

さて、その訳をお聞きしようと早速おじゃましました。

Q: 佐の富さんは代々この仕事をしていたのですか?

「いえ違います。
琵琶湖では漁師といっても魚を獲る漁師と、
しじみなどの貝を獲る漁師とがいて、
私の父親は貝類を獲る漁師でした。
元々私は魚が好きではなかったから、
川魚は全く受け入れられませんでした(笑)」

Q: へぇ、それがどうして?

「結婚して、主人は魚を獲る漁師だったんです。
最初は、漁も主人と兄とで出ていたのですが、
兄が船を降りることになって、その代わりに
私が乗ることになったんです。

それから17、8年船に乗りましたが
船に選別出来ない魚が残っていたので、
もったいないから家で煮(た)き始めました。
それが食べきれないから近所の人に配っていたら、
人にもあげたいから売ってくれへんかと
言われたんです。

お金を貰ってつくるのなら保健所の許可が必要なので、
作業所を建てて煮き始めたのがきっかけですね。」

Q: そうですか、私はゴリが好きなのですが
琵琶湖はいつが沢山の魚が獲れるのですか?

「やはり冬ですね。
11月から3月、4月までがたくさん魚が獲れます。」

Q: その時期にたくさんつくられるわけですね。

「もろこなどは、お歳暮や新春に食べられることが
多くて忙しくなりますね。でも最初のころは
川魚だからいらないと言われたりもしました。
確かに時間が経つと生臭くもなりますが、
煮きたてはおいしいのにそれがくやしくて、
朽木(滋賀県)の山椒などを使い、
色々試行錯誤しながら、川魚が苦手な私でも
食べられる今の味になったんです。
煮き始めては30年位、
店をはじめては17年くらいになりますね。」

Q: 佐の富さんの佃煮は、本当に臭みがない
ですね。どうしてですか?

「それは、琵琶湖の新鮮な魚を使っていることと、
作り置きをしないことですね。
たくさん作ると食べるまでの時間がかかって、
魚の脂が出てきてしまうのでなるべく出来上がっ
たらすぐに発送するように時間を考えています。」

Q: なるほど、煮く手順なども考えられたのですか?

「それは佐野家の代々の手順にしたがっています。」

Q: 鮒ずしも作っているのですか?

「はい、ここでなく寝かす時間がかかるので
別棟で作っています。」

 

Q: 鮒ずしは大体どれ位で出来るものなのですか?

「そうですね、大体10ケ月くらい経たないとお出し出来ませんね。」

Q: それまでここで眠らせておくのですね。
以前はこの鮒ずしに使うニゴロブナが琵琶湖で獲れなくなったとの話を聞きましたが
大丈夫なのですか?

「琵琶湖に住むブラックバスなどの外来魚の影響で、一時は全く獲れませんでした。
しかし、稚魚の放流や、外来魚の捕獲などで40%くらいは獲れるようになってきました。」

Q: 色んなご苦労がおありですね。
手づくり市に出られてはどの位になりますか?

「13年位ですね。」

Q: 最初の売上はどうでしたか?

「最初はもの凄く売れると聞いていたので
期待して行ったのですが、
雪も降っていたせいか1万2千円でした。」

Q: はぁ、そうでしたか。

「でもお客さんが『あんたのおいしいわ』
と言ってくれ、それがもの凄く嬉しくて
励みになったのでもう少し頑張ってみようと
思ったのです。
食べ物は時間がかかりますね、3年目にやっと
持ってきた魚が無くなるようなったんです。
その時に初めて売れるんだと思えました。」

Q: そうでしたか。
百万遍と他で売った時の違いは何かありましたか?

「滋賀の方でうろうろしていましたが、
手づくり市で会うお客さんは『ここをこうしたほうが
良いんとちがう』などアドバイスをくれたりしてくれて、
あったかいと言うのもありますし
馴染みもできますし、売れることもあり、
正直この仕事をやっていけるなと思えたのは
手づくり市に出ていたからだと思っています。」

Q: そう言っていただけたらありがたいです。
これからもよろしくお願いします。

「御近所の女性の方々とバリバリ働いてらっしゃる
佐野富美子さん。
佃煮は佐野家の手法を引き継ぎながら、
鮒ずしは利益度外視の価格で販売しています。 」

佐の富の佃煮はとてもおいしいご飯の友です。
手づくり市出展では、試食もできますので是非お試しください。

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