おじゃまします!手づくり市出展者さま Vol.19「ガラス工房 善」

滋賀県彦根市にある「ガラス工房 善」。

裏手にある田んぼは
主宰者である牧野さんが耕されているそうで、
もう稲の刈取りが済んでいました。

今日は廃ガラスが、美しい作品となるお話を
聞かせていただきます。

Q: 吹きガラスを始めてどの位になるのですか?

「趣味で初めてからやと12年目です。」

Q: それまではどんなお仕事をされていたのですか?

「某化学工業会社でサラリーマンをしていました。」

Q: そうですか、ものづくりが好きで
吹きガラスを始められたのですか?

いや、あんまり好きではなかったですね(笑)

Q: えっ、ではどんなきっかけで?

「47歳の頃、昨日話していた親友が翌日突然に死んだと
知らされた時、ショックなのと、人間って簡単に死んで
しまうものだなと思ったんです。
で、その後に父が死にその実感がより強くなり
人生観が変わったんです。

子どもも大きくなり、妻も好きな仕事をし、
会社も早期退職者を募っている。ならば
このタイミングと考え、ずっと何かやりたいと思い
49歳から趣味でやっていた吹きガラスを
自分でやろうと工房を立ち上げたんです。」

Q: 今作られている素材は焼酎やウイスキーの
空き瓶を使われているそうですが、
それはどうしてですか?

「昔、沖縄でコーラの瓶からから作ったと言われる
琉球ガラスは、今でも何人かの作家さんに
受け継がれています。

善のガラスも同じで、ほど良い厚みと重みが
安定感と安心感をもたらしくれますし、
手になじむ質感がリサイクルガラスから生まれる
特有の手づくり感を生んでくれています。」

Q: 色などはどうやってつけているのですか?

「瓶にない色を出すためには
ガラスの粉を使用します。

初期の作品ではこれを多用してましたが、
今はいかにシンプルに用いるかを考え作っていますね。
もちろんお客様の色のニーズに応えるため
でもありますけど。」

Q: それでこんなに大きな工房を?

「今まで懸命に働いてきましたし退職金もそれなりに
もらえたし、長男だった恩恵で家賃もいらず蓄えも
出来ていたから、今度は自分への投資をしてみても
良いだろうと… … …
これだけの道具立ては、本当に必要だったのか否かは
ありますが、これをしたからやめなかった部分も
ありますね(笑)」

Q: 今では?

「工房を持ちたいことは夢でもあったし、
今はもう残りの人生をこれでと思っていますよ。」

Q: デザインなどはどうやって考えるのですか?

「市などで他の出展者の方の作品を見たり、
お客さんの声を聞いて考えたり、
工房を掃除しながらと様々です。
しかし、基本機能よりデザイン重視で作る事が
多いんですが、これがなかなか売れませんね
これがまた別の悩みを生むんですよ(笑)

こだわりの作品が売れるようにと、
突きつめながら作っていますが、とにかく
作品は丁寧につくることが一番大切ですね。」

Q: 仕事以外での楽しみは何かおありですか?

「吹きガラスがあれば何もいらないですね(笑)
もう何もしなくなりました、
こうして自分の好きなことが出来る喜びを
知ってしまいましたからね。
人生観変わりましたよ。」

 

Q: 牧野さんのこれからの夢は?

「夢はこれを続けることですね、体力が必要でもありますから。」

Q: ガラス体験教室も開いているそうですが、体験された方はどんなことを喜ばれ、
どんな感想をきかれますか?

「後からの話は聞きませんが、初めての方ばかりなので、驚きの連続みたいです、
でも最後は自分の作った作品に喜ばれていますよ。
今年は9月から一時再開します。」

「自分らしい人生を想うとき、傍らにあったのが吹きガラス。」
そう語ってくださった牧野さんの顔は、やさしくもあり厳しくもありました。
「豊かな発想」を原点に作られていく吹きガラス作品に今後も期待しています。

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